DXAスキャン装置は、低エネルギーX線を用いた骨密度測定装置です。検査を受ける人は少ない量の放射線を受け、通常の胸部X線検査よりも少ない量です。明確で正確な結果を提供し、世界保健機関(WHO)によって推奨される標準的な方法として、骨粗鬆症の診断に使用されます。
骨密度測定装置の種類
DXAスキャン装置は、2種類に分けられます。
- 身体の中心部(Central Device)を検査する装置 は、背骨と腰を検査し、診断の標準的な方法です。
- 四肢(Peripheral Device)を検査する装置 は、手首や足首を検査し、スクリーニングに使用されます。
検査結果の解釈
測定された骨密度の値は、骨の面積あたりの質量(g/sq.cm、グラム/平方センチメートル)で表されます。正確な診断のためには、この値を同じ人種または類似の人種の30~40歳の若年成人の平均値と比較し、標準偏差(standard deviation)の数値であるTスコア(T)として使用します。これは病気の診断に使用されます。
- Tスコアが-1(マイナス1)より高い場合、骨密度は正常と考えられます。
- Tスコアが-1以下で-5より高い場合、骨の薄さ(Osteopenia)があると考えられます。
- Tスコアが-5(マイナス5)以下の場合、骨粗鬆症(Osteoporosis)と診断されます。
骨密度の変化を追跡するために再検査が必要な場合、同じ測定装置を使用することが推奨されます。装置によって測定技術、参照値、測定の変動が異なり、検査結果を比較することができないからです。通常、骨密度を1年以内に再検査することは推奨されず、結果の差が解釈できるほど十分ではないからです。
定期的に骨密度を測定すべき人
- 65歳以上の女性と70歳以上の男性
- 45歳前に閉経した女性
- 閉経期の女性で、体格指数が19未満の人
- 骨粗鬆症や骨粗鬆症による骨折の家族歴がある人
- 軽度の外傷で骨折した経験がある人(腰や背骨、その他の部位)
- 閉経後の女性や50歳以上の男性で、身長が3cm以上低下した人
- たばこを頻繁に吸うか、定期的に大量のアルコールを摂取する人
- 糖尿病、慢性肝疾患、慢性腎疾患、慢性関節炎、消化器系の吸収異常症、慢性的な腸炎疾患の人
- 甲状腺や副甲状腺の疾患がある人
- 50歳以上の男性で男性ホルモン不足の症状がある人
- 閉経後の乳がん患者や50歳以上の前立腺がん患者
- ステロイド剤、甲状腺治療薬、てんかん治療薬、癌治療薬など、特定の薬を服用している人
検査前の準備
- 妊娠の可能性がある場合は、医師や放射線技師に告げる必要があり、妊娠している女性は検査を受けられません。
- バリウム検査や造影CT検査を受けたことがある場合は、医師に相談し、検査を約2週間延期する必要があります。
- 検査当日は、通常通り食事と水分を摂取できます。
DXAスキャンの検査
金属製のアクセサリーを外し、専用の衣服に着替え、検査装置の上に横たわります。検査には約10~15分かかります。