脊椎変形症の手術では、脊椎を新たに整列させるために、複数のレベルで骨を切開する必要があり、高度な注意が必要です。なぜなら、手術中に神経系への損傷が発生する可能性があるからです。このため、医師は高い経験と専門知識を持っていなければなりません。
ナポン・タヤタット・ブナカン医師は、医師の経験と専門知識に加えて、技術も脊椎手術の安全性を向上させる役割を果たしていると言います。バンコクインターナショナル病院の脊椎センターで最近導入された2つの技術は、O-アームコンピューターX線(O-Arm)と手術中神経モニタリング(IONM)です。
O-アームコンピューターX線(O-Arm)は、手術中に脊椎の画像を記録し、骨の位置を詳細に表示し、アニメーション3D形式で画像を表示します。これにより、医師は正確に手術を行うことができ、特に脊椎が重度に変形していても、安全な位置に金属を挿入することができます。
このような最先端の機器を使用して手術の効率を向上させることで、患者は安全性が高まり、傷のサイズを小さくすることができ、手術後の痛みが少なく、出血が少なく、脊椎手術後の回復が早くなります。そして重要なことは、目に見えない手術でのリスクが高い、脊椎の変形を修正する手術のリスクが減少し、誤った位置にスクリューを挿入することによる麻痺が起こり得るためです。
手術中神経モニタリング(IONM – Intraoperative Neuromonitoring) も脊椎手術の安全性を高めるテクノロジーです。これは手術中に神経系と脊髄の機能を神経生理学的手法を使用して監視し、電気的反応による神経系の反応から、IONMの効率が手術中の神経系の損傷リスクを減少させることができるのです。
「複雑な手術、例えば脊椎変形症の修正手術を受ける患者は、脊髄損傷を含む合併症のリスクがあります。これは専門家の手によるものでも、脊椎を正しい形に戻そうとする際に脊髄の機能が停止するなど、予期せぬ原因によるものです。手術中神経モニタリング(IONM)を使用して脊髄の機能を監視することで、手術の安全性が向上し、アメリカの先進医療機関で標準として使用されています」